『恋するトップレディ』 #11 あらすじ

第11話 「愛さえあれば!」

あらすじ
市長公舎のリビング。
「あたし、時間つぶしてくるから」。
マリ(山口紗弥加)が気をきかせて出ていった。
八潮(柳葉敏郎)と2人きりになったちはる(中谷美紀)は平静を装って切りだした。
「県警本部に戻るんだって」「ご存知だったんですか」。
明日から3日間の引き継ぎが終われば、もう会えない。
「後任は若くてカッコイイのにしてよね」。
ちはるは淋しさをこらえて冗談めかした。
翌朝、八潮は後任SPの杉原(佐野賢一)を連れて迎えにきた。
「よろしくお願いします!」。
杉原は感激の面持ちだ。
ちはるは市長室に着いても、八潮のことが気になって仕事が手につかない。
ぼんやりしていると友枝(小野武彦)と小日向(高橋克実)が血相を変えて現れた。
ちはるの収賄疑惑を告発する怪文書だ。
市民文化センター建設を落札した建設会社から3百万円を受け取ったというのだ。
「賄賂?バカバカしい」。
身に覚えのないちはるは笑い飛ばしたが、念のために口座を確認した。
「ウソでしょ」。
何者かが3百万円を振り込んでいたのだ。
「犯人なら分かってるわよ」。
ちはるは館浜署の刑事にまくしたてた。
国会議員の黒沼(鶴田忍)だ。
「黒い噂がありますからね」。
刑事もそう言ってくれたが、証拠がなければ相手は国会議員。
警察もうかつには動けない。
動いたのはマスコミ。
仕方なくちはるは釈明の記者会見を開いた。
「怪文書に書かれたことは事実無根です」。
ちはるが足早に出ていこうとすると、市会議員の小早川(高知東生)が現れた。
「はたしてそうでしょうか」。
小早川は落札した建設会社と、父娘二代にわたっての癒着を主張した。
「いい加減なこと言わないでよ!」。
ちはるは小早川につかみかかろうとしたが、八潮に制止された。
ちはるの口座番号を知るのは経理課の限られた職員だけ。
八潮は挙動不審な塚田係長(大高洋夫)の周辺を探りはじめた。
ちはるの潔白を信じるケーブルテレビの優子(奥菜恵)と風間(吉沢悠)も独自に取材を始めた。
「やっぱり黒沼だな」「ええ。
そしてその手先になっているのが小早川ね」。
2人でコンビを組む仕事もこれが最後。
優子は東京のキー局にヘッドハンティングされたからだ。
そのキー局のプロデューサー水野(石井愃一)から、ちはるを取材したテープを貸してほしいと頼まれた。
「不正入札疑惑については触れないから」。
しかしオンエアされたワイドショーでは、ちはるはまるで犯罪者扱い。
「なんだよ、これ」。
優子と風間は怒りにふるえた。
ワイドショーの報道は、ちはるの収賄疑惑を主張する小早川に追い風となった。
議員たちからはちはるに対する野次が飛んだ。
「あんたが入札価格をもらしたんだろう!」。
小早川は議長に向かって手をあげた。
「私は市長の不信任案を提出します」。
場内から拍手が起きた。
決議は明日午後の臨時議会だ。
「申し訳ありませんでした」。
藤田(松崎しげる)の店でちはるに会った優子と風間は、ワイドショーの一件をわびた。
「いいわ よ、あたしは何もやってないんだから」。
ちはるはあっさり水に流した。
それよりも気がかりなのは明日の臨時議会。
可決されたら市長を辞めなければならない。
「失業保険って出るのかな?」。
さすがのちはるもすっかり弱気。
優子と風間も黙りこんでしまった。
その頃、八潮は銀行のATMの録画から、3百万円を入金した男を割りだした。
木村吾郎(大須賀王子)は小早川との関係が噂される暴力団の構成員。
別件逮捕したが、木村は黙秘を続けた。
取調室を出た八潮に耳寄りな情報がもたらされた。
経理課の塚田係長(大高洋夫)が小早川の関係する消費者金融に多額の借金を抱えていたのだ。
つながった! 八潮は塚田の自宅に向かった。
「借金をタテに小早川から、市長の口座番号を教えろと脅されたんじゃないですか?」。
八潮はちはるの市政に対する情熱を訴えた。
「この館浜市に必要な人なんです」。
しかし塚田は「私は何も知りません」と言うと、家の中に消えた。
一夜明けて、臨時議会当日。
「決議の前にお話ししたいことがあります」。
発言席に立ったちはるは静かに語り始めた。
「市長なんか偉くない。市民の皆さんがあたしの上司でした。そして父の言っていた市民のための政治の意味が、最近ちょっとだけ判ってきたんです」。
小早川はちはるをにらみつけていたが、他の議員たちは耳を傾けだした。
「不信任案の決議には従います。でも外部の圧力なんかに負けないで、あくまでも市民のための政治を目指してください」。
ちはるは駅前開発計画を変更させられたいきさつを訴えた。
「そんな事実はない」。
小早川はくってかかると、質問のほこ先を友枝に向けた。
「助役ならご存知でしょう。圧力があったのか、なかったのか」。
小早川は笑みを浮かべた。
緊張の表情で発言席に立った友枝は小声ながらはっきりと言った。
それは誰も予想していなかった一言だった──。

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